アルペン日記 初日

なんとなく、目が覚めた。。。「ん、今何時?」、枕元にある時計に手を伸ばす。「ありゃりゃ、まだ5時過ぎやんか〜」

もう夏だけあって、すでにまわりは明るくなっている。
今日はアルペンルート出発の日であるが一応10時発の『スーパーあずさ』に乗る予定なので、まだまだ時間がある。

も、もしかして興奮して目がさえたのか?
いや、やっぱり違っていた、昨日飲みすぎたビールがたたっただけなのであった。(^O^;)☆\(--;

オネショをしなくてよかった。。。と思いながらもトイレへ。

用を足しているとなんか人の気配を感じる。。。「げぇ〜!」な、な、なんと目の前に小さな女の子がつぶらな瞳で見つめいているではないか。

ぞっとしたものの、よく見れば娘であった。(^O^;)☆\(--;
いつもは朝たたき起こしても起きないくせに。。。ちょっと寝ぼけているらしい、トイレにいってから倒れ込むように再び寝込んだ。。。

「ホッ!」正直いってほっとした。なぜって、娘こそ興奮して 目がさえる可能性が高いからね。
娘が起きる→息子をたたき起こす→嫁さんが起き出す→とても寝れた環境じゃない!
まるで輪廻転生・弱肉強食のような世界がそこには繰り広げられていくのだ。(なんじゃそりゃぁ)

そんなこんな思っているうちに、『ピッ、ピッ、ピッ、ピィ〜』むっちゃ耳障りな音が鳴りだした。な、な、なんと嫁さんは「5:30」に目覚ましをセットしていたらしい。

「なぜじゃぁ〜〜〜!なんでこんなに早い時間に目覚ましをセットするんじゃぁ〜!」叫びたい気持ちをグッっと押さえ、自分は布団の中で目を閉じていた。(やっぱ嫁さんを怒らせたら恐いからね)

しばらく嫁さんも起きない。「オイ、オイ、起きないんなら、そんなに早く目覚ましセットする必要ないやんか。」と心の中でつぶやきながら今しばらく寝てるか寝てないかのぎりぎりの線を入ったり来たりしながらうとうと過ごす。

そうこうしているうちについに、目覚ましがわりのテレビがついた。「ハァ〜長い一日が始まってしまう。。。」6時であった。

予定よりちょっと遅めに家を出た。わが家のダミアン(3歳になる息子)がのんびりしていたためだ。
まぁそれでもほとんど予定通りといえば予定通りなのだが。
それにしても夏だ。3日前までは雨が降り続きとてもここに来て一気に梅雨明けしようとは。
この天気はやっぱり自分の日頃のおこないのせいなんだろう。

保土ヶ谷駅から横須賀線に乗り品川へそこから山手線に乗り換え新宿へ。
わが家からであれば、八王子へ入った方が近いしキップ(特急券)は安くすむのだが自由席の旅だし更に息子の席を確保するにはやっぱ自由席の方が便利なのだ。
給料が減ったわが家ではこういうところでケチッていかないとネ!

新宿についたのは、9時30分であった。予定している電車は10時ちょうど初の「スーパあずさ」予定通りだ。

ホームをさがす。新宿はもともとあんまり利用したことがないのと、あまりにもでかいのでいつも迷ってしまうのだ。でも今回は同じJRのホームなので迷うことはなかった。(^^)v

ん?ん?ん?あれっ?目の前には「あずさ 10:04発松本行」の文字が。。。たしか予定しているのは、「スーパーあずさ 10:00発 南小谷行」なのだ。さっ!と血の気が引いていくのがわかる。ふと横を見ると嫁さんも不思議そうな顔をしている。
それに「松本行」ではその先の「信濃大町」には止まらないではないかぁ。

こんなハズはない。
「このホームじゃないの?」という嫁さんの顔を後目にさらにホームをさがす自分。

「ほっ!」あった。そこにはしっかり『スーパあずさ 10:00発 南小谷行』の文字が。
嫁さんの顔からも安堵の表情が見受けられる。

それにしても、観光がメインの電車で4分違いの電車があるとなったら、間違って乗ってしまう客も多いんだろうなぁ。そんなことはないのかな?

そんなことを思いながらホームにあがってみると。。。げっっ〜、思ったよりホームに人があふれている。たしかに昨日インターネットで調べてみたところ、この電車は指定席はほぼ満席ではあったが。。。

列の人数を見ると座れる数ではあるが、家族が同じ場所で座れるかが微妙な数ではあった。それにしてもやっぱり学生っぽい人と、山登りをするのであろうちょっと年をめした方が目立つ。

はぁ〜。。。思った通り、娘がしゃがみこんでしまった。家からここまでですでに疲れきっている。
黒:『どうしたん?』
娘:『・・・』
黒:『つかれたん?』
娘:『うん。。。』
嫁:『こんなとこで疲れてどうすんのヨっ。先はまだまだ長いんやヨ』
娘:『・・・』

ほんとに疲れやすいタイプなのだ。いつもこんな調子である。
それを見ていつも元気な息子までしゃがみこんでしまった。

「あ〜あっ、しゃがみこみたいのはこっちの方だよなぁ。」と思いながらも、元気になってもらわなくては、ますます気が滅入ってしまう。

とりあえず、ペットボトルの水を飲ませることにした。
この水は清水器の水で、半分凍らせてあるからかなり冷たくおいしいのだ。

そう、今年の夏のボーナスでどうしても清水器が欲しいと願う嫁さんの為に清水器を購入したのだ。
一度、訪問販売で清水器を販売に来たセールスマンがうちの水の検査をしたのだが、その結果を目の当たりにした嫁さんはどうしても清水器が欲しくなったらしい。
それ以降『水は基本やから』との言葉を耳にたこができるくらい聞くはめになってしまった。

「まぁしゃぁないなぁ」と思いながらも、そんなにいい清水器を購入する予定ではなかったのだが、たまたま近所のサティでフル機能清水器旧型品の特売をしており、急遽その特売品を購入してしまった。(苦笑)

でもこの清水器は大ヒットであった。ちょっと場所をとりケーブル管がじゃまではあるがおいしい水をすぐにでも飲めるのはありがたいことであった。水割りもやっぱしおいしくなったしね。嫁さんも満足しているみたいである。

それでも実際どこまできれいになっておいしくなっているのかは、検査していないのでわからないが。。。

話がそれてしまった。

水を飲んで少しは元気になったらしい。

9:40になって13番線に「スーパあずさ」が入ってきた。
しかし折り返し運転のため車内清掃に入るとのこと。。。「そんなんいいから、早く乗せてくれぃ」。。。
そんなことを口に出しても、決して早く乗せてくれないことはもちろん知っているので口に出すなんて事はしない。

ふと『14番線 ホームご注意ください、大船行 成田エキスプレス??号が参ります』との場内放送。(14番ホームはとなりのホーム)
『たく、たく〜』と息子の手を引く自分。前にも書いたとおり息子は電車が好きなのだ。息子は成田エキスプレスをみてご満悦である。その後となりのホームには「スーパびゅー踊り子」が入り、ますますご機嫌になったのであった。

嫁さんは「スーパびゅー踊り子」に乗りたそうな顔をしている。保土ヶ谷駅をよ『踊り子』が通過するのであるが、未だに乗ったことがないのだ。>嫁さん。
ちなみに自分は会社関係の研修その他で3度ばかり乗ったことがある。

家族でわが家から、伊豆にいくには電車よりもやっぱり車の方が便利であり、最近はずっとレンタカーを借りての旅行となっている。しょうがないよね。

まぁ子供がでかくなったら、いつか乗れる日が来るさ。<おばちゃん旅行でね。(爆)
それまで横浜にいるかどうかは大きな疑問ではあるが。

『車内清掃が終わりましたので、まもなくドアが開きます。』と待ちに待った場内放送が流れた。

嫁:『お父さん先に行って場所を早くとってよ!』といって、自分を前に出す。
黒:「おいおい、並んでいるのに先に場所取りするなんでできんやろ」
とは、口が裂けてもいえない。(苦笑)

車内に入った。いきなり目の前4つの席が空いている。
黒:『ここでいいやろ。』
嫁:『うん』

ふと嫁さんが前の席も空いていることに気がついた。

嫁:『こっちはどうなん?』
黒:『こっちの方がいいわ』

ラッキーなことに、なんとBOXで席を確保することが出来た。
すぐに自由席も満席になってしまった。
ふと、
嫁:『お弁当どうしよ?』

たしかに予定駅信濃大町への到着時間は13時過ぎなので弁当を購入する必要がある。でも東京駅の駅弁は食べ飽きており、どちらかといば車内販売の駅弁に期待している自分は『車内販売にしよ』と答えてしまった。

これが間違いであった、待てど暮らせど車内販売が来ない。嫁さんは『ビュッフェがあるんちゃうん?』とのたまっているが、車内放送でたしかに「車内販売をご利用くださいと」いってたもんなぁ。

そうこうしているうち12時近くになってやっと車内販売のお嬢さんがやってきた。

ホッとしたのもつかの間、なんとお弁当がほとんど売り切れているではないか、残っているのは、マスの押し寿司と洋風弁当各1個のみ。

黒:『もうこれだけなの?』
嬢:『申し訳ございません、残ったのはこれだけなんです。』
黒:『サンドイッチなんかもないの?』
嬢:『ハイ。。。』

お嬢さんのほんとに申し訳なさそうな瞳をみたらとても文句なんていえない小市民なのである。

黒:『じゃぁ残りのお弁当ください、あとポテトチップスもネ。』

しばらくしてから、『お弁当いかがですか〜』とそのお嬢さんが。。。ってことはありませんでした。(^O^;)☆\(--;

4人でいっぱいのかけそばならぬ、2つの弁当を食べ終わると、もうすぐ目的地の信濃大町である。

嫁さんの母親と妹親子が無事到着しているか不安にかられながらも、信濃大町改札へ。
外は、快晴。とにかくここが信州か?と疑いたくなるほどの暑さである。いろいろ検討した結果、ここにある仁科三湖畔の散策も候補の一つではあったが、時間的制約とのかねあいで取り止めにしたのであるが、これは正解であった。
こんな日に散策なんてした日には、体力がいくらあっても足りないであろう。

娘と息子は嫁さんの母親(ばぁ〜ばと呼ばれている:以下ばぁ〜ば)にあって俄然元気になった。子供二人は、ばぁ〜ばが大好きなのであった。
もちろん、いろんなモノを買ってくれるので条件反射的に体に染み着いたモノと思われるが。(^O^;)☆\(--;

とりあえず、宿泊地である扇沢までのバス停・出発時間の確認を終え、近くにある「山岳博物館」へタクシーで移動。

はじめは歩いていく予定であったが、炎天下とても20分は歩いていけない。それもタクシーに乗って、坂道を延々と登る風景を見たらますます、タクシーにしてよかったとつくづく思うのであった。

「山岳博物館」と隣接している「小動物園」(雷鳥がいるらしがこの日は姿が見えなかった)を見学した後再び信濃大町までタクシーをとばし、予定通り扇沢行きの路線バスへ。
40分ほどバスで過ごすと、本日の目的地扇沢へ到着。まわりはなんと車であふれている。そのわりには、人気がまばらなのが気にかかる。

車の回送サービス(立山−扇沢間もしくは逆。は一般自動車乗り入れ禁止のため、車を回送してくれるサービス、しかし一台2万9千円〜とちょっと高い)でもしているのか、それとも時間がまだ4時だから観光客が帰って来ていないのか。

念には念を入れ、関電トローリバス乗り場でチケットの確認を取る。

ガイドブックには7/20〜8/20?の間は、このトローリバスは予約が必要と記載されているのだ。以前問い合わせてみると「その日なら予約は必要ありません」とのこと。
しかし、嫁さんのキップ発行には予約をいれないと乗車できないとのことで、朝8時の予約を入れているのだ。

窓口から「問題はありません」との答えをもらって、嫁さんともどもホッっとする自分。
ばぁ〜ばと嫁さんの妹(以後リカちゃん)は何をしているのかさっぱりわからないような表情でこちらを見ていた。

ばぁ〜ばとリカちゃんは全てこちらにまかせており 全くその辺は関与せず任せっきりなのだ。

これで後から、ぶ〜たら、こ〜たら たれたり、不快な表情でも見せるのであれば こっちも何もしないのであるが、逆にマヂ任せっきりで信頼されちゃってるもんだから、嫁さんも自分もそこそこはしっかりしないネ。

自分は営業マンで客先や後輩がいるが、相手にやる気を出させ人を動かすことができる人とは、ばぁ〜ばやリカちゃんのことをいうのかもしれん。

そうそう、この日は予約必要でなかったかもしれないが、最盛期に「アルペンキップ」利用の観光客は予約どうするのであろうか?
それとも予約客を優先し、その後「アルペンキップ」の客が乗車することになるのであろうか?不思議である。

まぁとりあえずはOKとういうことなので、そのまま宿泊する「アルペンホテル扇沢」へバスが登ってきた道を10分ほど下るとホテルへの標識板を右折するとホテルが見えてきた。す、す、すると「扇沢までの近道はこちら」との案内板が。。。しっかり遠回りしてきたらしい。(苦笑)

やっとホテルに到着。

ぎりぎりで予約した割には、車も少なく人の気配も少ない。これが後ほど幸いするとはそのときはもちろん知るはずもないのであった。

とりあえずチェックインを住ませ、周辺散策に出ることとした。さすがに扇沢までくればさすが信州避暑地との様相を呈しひんやりと涼しい。セミの鳴き声もなんとなく心地よく聞こえるものだ。

扇沢というからには近くに沢が流れており、どうしてもその沢に入ってみたい衝動にかられるのは必然であろう。
嫁さんの『危ないからやめとき!』との声を振り切り沢の入り口を確認する。
黒:『全然問題ないから、みんなで一緒に沢におりよ〜や』
嫁:『えっ〜〜!ほんとに大丈夫なん?』
黒:『なんともないって!』

まずは娘を呼ぶと、やっぱ娘も興味があったんだろう。めずらしく素直にいうことを聞くのだ。
ちょっとした坂道をおりると、1mほどの段差のすぐそこには沢が流れており、水遊びするには十分の川岸もある。
まずは自分が先におり川岸から娘を抱きかかえおろす。娘が来たらもちろん、息子も降りてくる。

黒:『来いひんの?けっこう気持ちいいヨ。』
嫁:『・・・』
黒:『リカちゃん、ユウ君(リカちゃんの息子)連れても来いひん?』

リカちゃんも意を決して降りてくる。そうなるとやっぱり嫁さんも心配ながらも降りてくる。(苦笑)
ばぁ〜ばだけは、やっぱり体力的に心配なのかその辺を見てくるといって、降りてこない。

さっそく、自分はズボンの裾をたくしあげ靴下も脱ぎ、沢に入る。
む、む、むっちゃ冷たくて気持ちがいいではないかぁ〜〜。
雪解け水なのか?と思わせるほどひんやりと冷たく、10秒も入っていられない。しかし十分心地良い。

沢の流れはそんなに急でなく、子供たちがはいっても全然問題がないことを確認してから、まず息子を入れる。
息子もここまで冷たいとは思ってもいなかったんだろう、いつもの水遊び同様、「ばちゃばちゃ」沢に足をつける。2秒後「ヒャっ」小さな叫び声を上げると同時に川岸へ。しかしまた確かめるように沢に入る。
その息子の喜ぶ姿を見て、娘が靴下と靴を脱ぎ出す。
娘は、AB型との血液型の割には冒険心がなく様子を見てからでないと行動を起こさないタイプなのだ。こういう性格ばかりはなかなか治らないもんですな。
嫁さんは?というと、息子や娘の世話をしている。

黒:『入らへんの?』
嫁:『入らへん。』
黒:『リカちゃんは?』

と聞く前に靴下を脱ぎ出していた>リカちゃん

黒:『リカちゃんも入るって』
嫁:『・・・』
リ:『むっちゃ冷たいやん、お姉ちゃんも入れば?』

それを聞いて意を決したみたいである。

30分ほど遊んだ所で、子供達は遊び足りなかったみたいであるが明日の確認のため移動。扇沢までの近道を確認する。

再びホテルに到着し、夕食をとってから浴場へ。まぁ温泉じゃないからしゃぁないわな。
そこで、な、な、なんと大ショックなことが。。。
今日はなんと、プロ野球オールスター第一戦。し、し、しかしこのホテルでは放送されているTV局が入らないとのことであった。
これを楽しみにしていたのに〜。今日以外はどぅでもよかった、とにかく今日だけは見たかったのだぁ。

結局TVを見る元気もなく、9時過ぎに早めに就寝。

22時をまわった頃だろうか、ユウ君が夜泣きを始めてしまった。あちゃちゃ。。。
かなり長い時間が経過しリカちゃんは必死にあやしているのだがいっこうに泣き止む気配がない。

すると、「トントン」とドアをノックする音が。ホテルの従業員である。
話によると、両隣から夜泣きにたいするクレームが出たとのこと。泣き止む気配がない子供をみて、空いている部屋へ案内するとのことであった。

ホテルの予約はいっぱいとのことであったが、幸いなことに旅行会社の予約が思ったほどとれなかったのだろう。やっぱり空き部屋がいくつかあったらしい。

リカちゃん親子と、ばぁ〜ばが移動し、静寂が戻ってきた。
隣ではあれだけの泣き声の中、娘と息子は爆睡しており、おもわず感心してしまったぁ。(爆)

ちなみに小市民の自分はずっと寝たふりしてましたけど。(^O^;)☆\(--;

こうして初日の夜はふけていくのであった。

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